《ご利益・神様》裏に神秘の石の山 安産祈願の【産泰神社】アク強めな神社好きの紹介

群馬県、産泰神社裏にある石山。

七つ前は神のうち

医療の発達していなかった昔、
産まれた子が無事に育ってくれる…。
それは今以上に難しく、貴重なことだったのだろう。

というわけで、今回は
群馬県前橋市産泰神社の紹介・感想です!

目次

産泰神社ってどんな神社?

産泰(さんたい)神社はその名の通り、
安産守護の神社。
しかし、その始まりは巨石崇拝から始まったとされています。

神社の裏にある大きな岩山
これが信仰の始まりです。
この山は赤城山の土石なだれにより出現したとされています。
そしてこの岩山は神々の住まう岩とされ、古代から信仰されてきました。

岩はしばしば強い生命力の象徴とされる。
そんな岩にあやかり、安産が祈願されてきたのかもしれない。

ご祭神・ご利益

ご祭神 ご利益
木花佐久夜毘売(このはなさくやひめ)命安・産・祈・願!  子育て など

上でも書きましたし、神社の名前からも分かりますね。産むが泰(やす)らか、産泰神社。
当然ご利益は

安・産・祈・願

安産祈願ならココ!
今まで行った神社のなかでもトップクラスに安産祈願推しです。

そしてご祭神は
木花佐久夜毘売(このはなさくやひめ)命
安産・子育て、そして美の神さまです。
桜のように美しくそして儚い女神とされています。

が!

実はそんなイメージとは裏腹に、なんやかんやあって炎の中で出産するという、なかなか過激なエピソードを持つ神さまでもあります。
(詳しい話は記事下へ コチラ

アクセス

車の場合

北関東自動車道の波志江スマートインターが近いです。

電車の場合

駅からは距離があります。
上毛電鉄線の大胡駅より、タクシーで10分ほど。
両毛線の前橋駅より、タクシーで20分ほど。

神社レポ

夏の暑い日差しの中、白い鳥居が見えます。

鳥居!
灯籠!
心が躍る。

そして後ろにそびえる

厳粛な神門!
拝殿や本殿以上に素朴な色合いでした
かっこいい。

境内と拝殿

拝殿前の参道にはまだ七夕の短冊が残ってます。

拝殿

迫力!

装飾もさることながら、大きな拝殿はやはり迫力がありますね。
燃える産屋で子供を産んだ、サクヤヒメの強さを表しているかのよう。

産泰神社の本殿

御神体が安置されている本殿

ほう…妻入りですか。

いや、珍しい…
というほどでもないでしょうが。
僕が行く神社は平入りばかりだったので。
地域差があるかも。

平入り?妻入り? 
という方にに説明すると、

写真の本殿を90度回して拝殿にくっついてるのが平入りです。

屋根の向きが違います。
ま、僕も建築方面には明るくけどね。
真夜中に蝋燭1本ぐらいの明るさ。

ならば、最初から学をてらった物言いをするな!

境内の左に金刀毘羅宮

風鈴が涼しげに吊るされた道。夏詣仕様。

その先に金刀毘羅宮があります。

夏詣って?

夏詣とは、一年の折り返しである7月1日以降に神社仏閣にお参りすること。
比較的新しい習慣かも。

金刀比羅宮

ご祭神は 大物主大神
ご利益は 家内安全・運気向上 

大国主の別名とも言われている神さまです。

石山 安産胎内くぐり! おすすめ!

そしてこの金刀比羅宮のすぐ左にあるのが
産泰神社の石山

神々が宿るとされる石山。
約13万年前、赤城山で発生した石山土石なだれにより出現したといわれています。

左が横から見た石山。右が下から見た石山。
石の山、下から見るか?横から見るか?

この石の間を妊婦がくぐると安産になるといわれています。

ただし現在は危険であるとの理由から、
石山での胎内くぐりはできなくなっています。

代わりに、石山から移設した石の間(下の写真)で胎内巡りができますのでそちらから!

それにしても、昔はそんな危険な石山で妊婦たちは胎内めぐりをしていたんですね。

妊婦たちの
無事に子供が産まれてきてほしい!
という強い想いを感じます。

そんな昔から妊婦たちを見守ってきた石山に挨拶をすべく、僕も胎内巡りをしました。

安産のご利益は絶対に不要ですが。
目や鼻を洗うだけで命を誕生させるような人間にはなりたくないです。

その他の見どころスポット

この産泰神社、
思っていたよりも見どころが多かった。

安産抜けびしゃく

安産抜けびしゃく
拝殿のすぐ左側にあります。

江戸時代から、産泰神社では底の抜けた柄杓を奉納する信仰があったそうです。
底の抜けた柄杓で水をくむと水がそのまま抜けてしまいますよね。
それぐらい楽にお産ができますように
ということらしい。

安産・子育て戌

拝殿から金刀比羅宮に行く道の左側にあります。
安産・子育て戌。

この神社の戌の周りはあるのは12個の石玉
これらが干支に対応しており、
自分と産まれる子供の干支を撫でてお参りする
安産のご利益があります。


戌は、安産にして多産、お産が軽いため
「安産の守り神」
とされている動物。
だから戌が中心にいるんですね。

妊婦が安産を願って帯を巻く習慣を帯祝いといいますが、
これが戌の日に行われる理由も、
この帯を犬帯と呼ぶ理由も、
戌が安産の象徴だからなのです。

ちなみにこの犬帯、神社では腹帯と表記されてました。
あと岩田帯とも言います。

ほんとにどうでもいい話だけど
お産の軽い犬にあやかって犬帯なら、
強い生命力の象徴・岩にあやかって岩田帯か!?
なんて思ってた。
でもただ単に
「ゆはだおび(結肌帯)」から転じただけらしい。
知ったかぶらないでよかった。

末社

末社(まっしゃ)。
神社境内にある小さな神社のこと。

色々祀られてますが、右端!絹笠神社!?
群馬県安中市の咲前神社にも絹笠神社がありました。
絹笠神社という名前は咲前神社以外では聞いたことないです。

ただ、ここの絹笠神社のご祭神は
和久産巣日(わくむすひ)神。
咲前神社にある絹笠神社とはご祭神が違います。
なにか関係はあるのあろうか。

ちなみに、咲前神社の記事はこちら。

七福神

今までは境内の左側でしたが、今回は境内の右奥。
七福神の社。

お前ほんとどこにでもいるなランキングでそこそこ上位に食い込むであろう七福神です。
ここにもいましたか。
ご利益は家内安全・金運向上

よくあちこちに出張できたものです。
乗ってる宝船が高性能なのでしょう。
ブラックバード並みの速度かも。

というわけで、ここの七福神は宝船に乗っていてちょっと特別らしい。

おまけ

サクヤヒメ、炎の中で出産する の巻

サクヤヒメの夫は瓊瓊杵(ニニギ)尊という神さま。
サクヤヒメはニニギノミコトと結婚し、すぐに子供を身ごもりました。
しかし、子供を宿すのがあまりにも早かったため、ニニギノミコトは疑います。

「ちょ、ちょっと待て。
これは本当に私たちの子か?」

すると、サクヤヒメは怒りだします

「私の子じゃないと!?
それじゃあ、産屋に火をつけて出産してみせましょう!
あなたとの子なら無事に産まれるに決まってるから何も問題ないもんね!!」

昔は子供を産む際、産屋という出産専用の小屋にこもっていたのです。

「い…いやちょっと落ち着いて…!」

「もう火をつけました!産屋が燃えている!!

ついでに出入り口も土で塞ぎますからね!」

結果は当然のように安産。
こうしてサクヤヒメは身の潔白を証明し、燃え盛る炎の中で3柱の神さまを産んだのでした。

美しく儚い女神さま…というだけではないようだ。
母は強し。

何はともあれめでたしめでたし♩

(ご利益・ご祭神へ モドル

記事の裏書き(どうでもいいこと)

僕が行ったときはあまり参拝客が多くありませんでしたが、それでも見かけた方は全員女性でした。
安産祈願の神社なだけあって、やはり女性からの信仰があつい。

今回の歩行距離はたったの2km。情けない数字。
夏の暑さにやられたよ。

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