《ご利益・神様》ボケの結んだ縁【冠稲荷神社】アク強めな神社好きの紹介

群馬県、冠稲荷神社の参道と社殿。

「先駆者」「指導者」

そして

「妖精の輝き」

ボケ(木瓜)の花言葉は、その名に反して
神秘的かつアグレッシブだった。

というわけで、今回は
群馬県太田市冠稲荷神社の紹介・感想です!

目次

冠稲荷神社ってどんな神社?

冠稲荷神社は、日本七社(全部稲荷神社)の一つに数えられる名稲荷神社
創建はなんと平安時代!

また、源氏とも関わりが深い神社です。
源義国という人物による創建だそう。

そして、伏見稲荷大社の御分霊を持ってきたのはみなさんご存知、あの源義経
源氏ゆかりの社だと知り勧請したそうです。
(ということは、もともとは稲荷神社ではなかったのだろうか。)
どうやって持ってきたのかというと…
冠の中に入れてきたらしい。

両手が塞がっていたのか。
いつ敵に襲われてもいいように手を空けておきたかったのか。
はたまた、そういう趣味だったのか。

さらに新田義貞が鎌倉幕府を討伐する際、
兜に神霊を宿し、戦勝を祈願したそう。

…なぜかみなさん、頭の上に神さまを乗せたがります。
それとも、頭に乗るのが好きな神さまなのかな。

好事家ならぬ好頭家 です。

そんなわけで、冠稲荷大明神と呼ばれるようになりました。

ご利益・ご祭神

ご祭神 ご利益
宇迦御魂(うかのみたま)神五穀豊穣・商売繁盛
天照(あまてらす)大神願望成就・国土安泰
ご祭神全体開運厄除け
ウカノミタマ・アマテラス以外54柱の神さま

いや、多い!
主祭神以外に55柱の神さまが祀られています。総社じゃないのに。

もちろん、稲荷神社なのでお稲荷さまこと
ウカノミタマが主祭神
ウカノミタマは狐を神使とする、食べ物の神さまです。

ですが、そのほかにここまで神さまを祀っている稲荷神社は珍しい。

おもに神社で紹介されているご利益は、
開運厄除け

正直これもかなり意外。

稲荷神社はとにかく商売繁盛をウリにしているイメージ。偏見かもしれませんが。
もしかしたら祀られている神さまが多いことが影響しているのかも。

もちろん、商売繁盛のご利益も期待できると思います。

なお神社の説明板では、ウカノミタマ以外だとアマテラスがピックアップされてました。
天照は日本神話の最高神にして、太陽の女神さま
その他は54柱でひとまとめ。

アクセス

車の場合

北関東自動車道の伊勢崎IC・太田桐生ICが近い。約25分ほど。

電車の場合

最寄りは細谷駅。歩いて25分程度。

神社レポ

冠稲荷の四方鳥居

神社に着くと大きな鳥居。
南鳥居です。僕はココから入りました。

実はこの冠稲荷、境内の四方に四つの鳥居がある珍しい神社。
これらは四方鳥居といいます。
それぞれを潜れば魔除けの効果があるとのこと。

と、いうわけで…
残りの鳥居も紹介するぜ!

左上ッ!まずはこいつだッ!
戌亥(いぬい)鳥居ぃ!

右上ッ!最大規模ッ!
甲(きのえ)大鳥居ぃ!

左下ァ!色の変化球っ!
辰巳(たつみ)鳥居ぃ!

右下ッ!ラスト!
東鳥居ぃ!

ちょっと待って

五つじゃん!

四方鳥居とはいいましたが、鳥居は5つ。
ただ位置的に、
四方鳥居は戌亥・甲・辰巳・南 鳥居でしょう。
多分

一応僕は5つ潜りました。
鳥居から出ては入ってを繰り返したよ。
魔除け効果バッチリ!(なはず。)

参道と義経ご神水

いったん南鳥居に戻りまして…
参道。夏の木漏れ日が綺麗。

まっすぐ進むと拝殿があります。

鳥居をくぐり、参拝…と思いきや

参道のど真ん中にご神水が!

なんて堂々としたご神水。
中央にでん!と強烈な存在感。主張が強い。

義経ご神水
という名前の水らしい。

「やあやあ我こそは!
冠稲荷の義経ご神水!!」

って名乗ってました。

義経さんが見つけた稲荷神像を洗ったのはここの水。
また、義経さん自身もこの水で身を清めたらしい。

だから義経ご神水なんですね。
手水舎でも同じ水が使われているそうです。
イメージ的には、奇襲戦が得意な義経さんにしてはこの湧き水、堂々としすぎているような。

拝殿と本殿

そして拝殿。なかなか豪華。

そして本殿は装飾がとても面白い。

それぞれの面の装飾に意味があります。

たとえば向かって左側。

虎渓三笑(こけいさんしょう)
を表している。
分かりやすく言えば…

仲良し三人組がうっかりで笑う話!

次に後ろの面。

※逆光で見えづらい。本当は右の写真のようになってます。
琴棋書画(きんきしょが)
を表しています。
分かりやすく言えば…

古代中国の偉い人が習うやつ!

最後に向かって右側。

商山四皓(しょうざんしこう)
を表しています。
分かりやすく言えば…

山に隠れたじいさん四人!

神社の装飾にも中国文化の影響が強いですね。
中国文化の影響力を実感します。

まあ、漢字も中国由来だし。
仏教も中国からだし。
ラーメンは美味しいし。

冠稲荷神社の見どころ

縁結びのボケと実咲社 超オススメ!

冠稲荷境内の右側に生えている木瓜(ボケ)という植物。
ツッコミは生えてなかった。
これが日本一のボケといわれる冠稲荷の名物!
縁結びのボケです!

樹齢はなんと400年!
320余りの株が群生しているボケです。

夏に行きましたが、見ごろは3月中旬から4月上旬。
全樹が緋紅色に染まって綺麗らしい。

そしてその近くにあるお社が実咲社です。

ご利益は 縁結び、子宝、安産 など。

お稲荷さま
のほか

悪しきものから守る
塞神(さえのかみ)

お稲荷さまに仕える巫女が神格化したという、
宮殿を守る神さま
大宮能賣(おおみやのめ)神
などが祀られています。

縁結びのボケの伝説

なぜこのボケが縁結びのボケとされ、
ここまで有名なのか。
それはこのボケにはとある伝説があるからなのです。

むかしむかし、子供ができずに悩んでいるひとりの女性がいました。
あるとき、とある修験者から木瓜の実を授かりました。
それを服用すると、不思議にも急に子宝に恵まれたという。
その後、お礼として冠稲荷にボケの木を植えました。
そのときのボケがこのボケらしい。
以来、縁結びや子宝祈願・子育てのご利益があると厚く信仰されているそうです。

あと、神社にはもう一つボケがありました。

そっちは赤ちゃん木瓜と呼ばれてます。
安産のご利益があるらしい。

ボケという名前の由来

ボケの実の形は瓜にとてもよく似ています。
そのため、木瓜(もっけ)と呼ばれるようになり、
それがモッケ→モケ→ボケに変化していった説が有力とされています。

厳島社とご神水

境内の左側。厳島社

ご祭神は宇賀弁才天(ウガベンザイテン)
ご利益は 
健康回復、健康増進、健康長寿

神像がご神体の神社です。
宇賀神という神さまと弁財天が融合している像らしい。

宇賀神と弁財天。
この2柱、結構一緒にいることが多い仲良しさん。
宇賀神は人頭蛇身のすがた(諸説あり)で、
弁財天の頭の上に乗ってたりします。

ん?頭の上…。

さすが冠稲荷。
頭に神さま乗っけがち。

右手に沸いているのはご神水が湧いてます。
己巳の日にご神水でお金を清めれば、金運UP
といわれてます。よくいわれるやつ。

…あと名前もついてる。
金御盥歳徳の淵(かねみたらいとしとくのふち)」という名前。
長い。読みづらい。
読む気がなくなりそうなので最後の方に名前を紹介しました。

白狐社

厳島社から奥の方に行くとある白狐社

願いを叶えた白狐を納める社。
稲荷神社にあるけど、たくさんあって見てて楽しい。
かわいいね。

菅原社 見落としやすい

菅原道真を祀る神社。
ご利益は学業成就、必勝合格

厳島社と白狐社の間にあります。
意外とわかりづらい。

境内の神社を見落としたくない!という方は注意。

縁結びの桜

今度は境内の右側。ちょっと離れた場所。

縁結びのご利益があるといわれている桜です。

なぜかって?

幹に注目!
二手に分かれていますが、
なんと!再び結びついています。
再会の象徴。

崇徳院が好きそうな桜。 瀬をはやみ〜♪

聖天宮 オススメ!

こちらも境内の左側にある神社・聖天宮

ご祭神は3柱

神倭伊波礼毘古(かむやまといわれびこ)命
難しい名前だけど神武天皇のこと。初代天皇。
そして
伊邪那岐(いざなぎ)神
伊邪那美(いざなみ)
夫婦の神さまです。

ご利益は
夫婦和合、親子和合

……ん、夫婦和合??

…ああ、
イザナギさんとイザナミさん、黄泉の国で追いかけっこしてたもんね。
カップルが海辺で
「うふふ、まてー!」とか言って追いかけっこするアレみたいなものなのかな。
それにしてはずいぶん必死そうだったけど。

この聖天宮の裏には
悪縁断大鈴(あくえんだちのおおすず)という鈴があります。

強く念じて鈴を鳴らすことで、
災難除け、そしてストーカー除け
のご利益があるそう!

ストーカー除け…なんだか具体的なご利益だなあ。

注意点として、鈴は静かにふりましょう。

僕は間違えて雷の如く鳴らしてしまいました…。
左の手には若雷居り、右の手には土雷居り!ってな具合に。
悪縁どころか良縁まで何本か切れてしまったかも。

月夜見宮 見落としやすい

ここはね、トラップスポット
なぜなら、神社の案内板に記載されてないから。

「案内板もしっかり確認した!よーし、見落としはないぞー!」

という御仁!
目に見えるもの(案内板)が全てと思うこと勿れ。

ご祭神は
月夜見(つくよみ)尊
と、その荒御魂

ご利益は諸願成就・眼病平癒 など。

ツクヨミは夜の神さま
ツクヨミの荒御魂はその魂の一面。
ツクヨミの荒御魂はツクヨミ自体と区別されてます。
ここではさらに、
ツクヨミと荒御魂が一緒に祀られています
なんだかややこしい。

荒御魂とは神さまの持つ荒々しい魂。

恵みをもたらす川も、ときに氾濫し洪水や水害を引き起こすように。

命育む太陽も、ときに照りつづけて干ばつとなるように。

自然(神さま)は二つの側面を持っているのです。
ただ、荒御魂は強いエネルギーを持つともいわれているので、悪いことばかりじゃない。
敵にすると怖いけど味方だと心強いやつです。

社殿はなんだか新しい
案内板に記載がないも踏まえると、比較的最近建てられたのかも。

記事の裏書き(どうでもいいこと)

とても見所が多い神社でした。
さすが、日本七社の一つ。
紹介しきれていない部分も多いです。

今日の歩行距離は22km。


周辺の神社を巡ったから結構歩いた。
この時期は暑いので大変。

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