さても異形なる者かな。
猿かと思えば人なり
人かと思えば猿なり。
…豊臣秀吉のことである。
秀吉が最初に使えた主君・松下之綱の言葉。
強烈だったので、「猿」と聞くと10%ぐらいの確率でこの言葉が頭に浮かぶ。
というわけで今回は、
茨城県北茨城市花園神社
の紹介・感想です。
花園神社ってどんな神社?
茨城の山奥に建つ花園(はなぞの)神社。
この神社、
征夷大将軍である坂上田村麻呂が
霊夢を見たことをきっかけに建てられました。
有名人の名前が出てきてびっくり。
花園神社で祀っているのは主に山の神さま。
そして豪華な社殿や仁王門など、山奥とは思えないほど立派です。
山の緑に朱色の建物が映える映える。
ご利益・ご祭神
ご祭神 | ご利益 |
---|---|
大山咋大神 (オオヤマクイノオオカミ) | 「家内安全」 「五穀豊穣」 「金運招福」 |
大山祇大神 (オオヤマズミノオオカミ) | |
大物主大神 (オオモノヌシノオオカミ) | 「縁結び」 「家庭円満」 |
ご祭神は
大山咋大神(オオヤマクイノオオカミ)
大山祇大神(オオヤマズミノオオカミ)
大物主大神(オオモノヌシノオオカミ)の3柱。
特に注目すべきはこの2柱!
オオヤマクイとオオヤマズミ。
クイさんの方は山王権現とも呼ばれます。
どちらも山神です。
山はさまざまな恵みをもたらすことから、
「五穀豊穣」「金運招福」
のご利益があるといわれています。
また、
ズミさん(オオヤマクイ)もクイさん(オオヤマクイ)も、
「土地の守護」という面が強い神さま。
それが転じて、現在は
「家内安全」
のご利益があるともいわれています。
オオヤマクイとお猿
それから、クイさんの特徴として
神使がお猿である
という点があります。
神使とは、文字通り神さまの使いのこと。
様々な動物が神使とされています。
有名なのでいうと、お稲荷さまの「狐」とかがそうですね。
よく勘違いされますが、
お稲荷さまの神使が狐であり、
お稲荷さま=狐 ではないのです。
(狐を祀ってるような雰囲気を出してる神社もあるので、そう思うのも無理はないと思いますが…。)
この、神使であるお猿のことを
神猿(まさる)といいます。
まさるは「勝る」や「魔去る」と通じることから、とても縁起の良い言葉。
それもあって
クイさんを主祭神として祀る日枝神社などでは、
狛犬ではなくお猿が置かれています。
花園神社でもお猿の装飾や神猿の像が結構ありました。
探してみても楽しいかも。
隠れミッキーを探してるみたいで。
オオヤマクイとオオヤマズミはどちらも山神。
個人的な解釈にはなりますが、この2神の違いを
おまけの欄に書いてみました。
先に知りたい方は コチラ。
アクセス
行くなら車がおすすめ。
常磐自動車道 北茨城ICから25分程度。
電車はおすすめできません。
バスもおそらくないです。
最寄りは磯原駅ですが、タクシーを利用しても30分程度かかります。
正直、アクセスはかなり悪いです。
だけど、
そこもまたワクワクするポイントですよね!
秘境みたいで。
(…そう感じるの、僕だけ?)
神社レポ
入り口の橋と鳥居
花園神社は川の向こう。
橋を渡って向こう側へ。
異界への入り口だ。
綺麗な川。
昔この川で、メガネを落として無くしました。
どうでもいいですね。
山のすがすがしい空気感!
こぶ杉
鳥居をくぐってすぐ右側にある
目立つ木はこぶ杉です。
子を授かった母の姿に見えることから、
子宝・安産のご利益
があるといわれています。
人ひとり分ぐらいなら入れそうな程のこぶ。
ここまで大きいのは初めて見た!
楼門と拝殿
鳥居のさきにある楼門。
二階建ての門です。
いやあ、立派だ。
山奥だからって侮れない。
そして、拝殿。
写真では分かりづらいですが、
屋根の上にお猿の顔が付いてます。
本殿と三猿
本殿は階段の上。
本殿。
本殿も拝殿みたいな造りです。
お賽銭箱もある。
正面の彫刻をよくよく見てみると…
三猿だ!!
日光東照宮で有名なあれです。
見ざる・聞かざる・言わざる
そういえば、花園神社近くある
男体山・女体山も、
日光の
男体山・女峰山
を連想してしまう。
偶然なのか、関係があるのか…
気になるところです。
しかも本殿の横には東照宮がありました。
やっぱり、日光を意識した…?
本殿の裏にはお社が3つ。
金刀比羅神社
千勝神社
鷺森神社
です。
裏側の守護は任せておけ!
という気概を感じます。
その他の見どころスポット
三本杉 超おすすめ! 見落としがち
花園神社の左側には道があり、
そこを進むとご神木があります。
この道、意外と目立たないので注意!
道を進んでいくといきなり現れます、
巨大なご神木!
三本杉です。
推定樹齢は800年。
途中から3つに分かれる幹は、
花園神社で祀られている三柱の神さまをあらわしている
らしい。
古代から信仰され続けている木だそう。
…と、いうことは
老木だから信仰されているわけではないのかな。
この木になんらかの神性が見出されたのかもしれない
すんごい太い幹。
なんだか神々しい。
根っこもかなり広範囲に広がってます。
踏まないようにするのも大変だ。
厳島神社
境内の右に位置する神池。
そしてその中央には厳島神社。
ご祭神は
市杵島姫命(イチキシマヒメノミコ)
田心姫命(タゴリヒメノミコト)
湍津姫命(タギツヒメノミコト)
の三姉妹。
美人で有名です!
神池を造ったのは、
ここに女神が現れたから
なんだって。
石尊の滝見落としがち
最後に花園神社の左にある滝。
石尊の滝。
山の湧き水です。
一応、境内の外になるのかな。
ちょっと離れているので見落とし注意。
パワースポットらしい。
滝の近くってなんだか楽しい。
これもパワースポット効果か。
あと、滝の近くから撮った花園神社の橋。
なかなか良いのでは!?
サムネにしよ。
おまけ
オオヤマクイとオオヤマズミ。
2柱のアマガミの違いを僕なりに説明してみようのコーナー。
なんとなーく、イメージの違いが伝わればと思います。
オオヤマズミとオオヤマクイの違い
オオヤマクイさんとオオヤマズミさんもはどちらも山の神さま。
名前もそっくり。
とはいえ、その性質は少し異なる…
と思ってます。
まず、クイさん(オオヤマクイ)。
オオヤマクイという神名は、
「山」に「杭」を打つ
ということが由来です。
「山に杭」
これは「境界を示す」ということ。
つまりはその地の所有を表します。
つまり、クイさんは
「山」を所有する山神
であると考えています。
なので
所有する山を、所有している範囲で見守っている神さま
というイメージです。
対して、ズミさん(オオヤマズミ)は
山という存在そのものの神であり、
クイさんのように
「境界」といった概念がありません。
なのでより抽象的な
「山」という存在を見守る山神
であると考えています。
日本の山全体を広く見守っている神さま
というイメージです。
同じ山神ではあるものの、
「境界」という概念の有無が大きな違いなのではないかなー…なんて思います。
…なんて
学をてらったような書き方をしましたが、
浅学菲才な身による勝手なイメージです。
「僕個人の解釈」程度に捉えてください。
(オオヤマクイとお猿 へモドル)
記事の裏書き(どうでもいいこと)
ところで、
「お猿」と聞いて何が思い浮かびますか?
ドンキー?
ジョージ?
サルゲッチュ?
僕はね、
秀吉
今日の歩行距離は2.9㎞。
山奥の神社にもほとんど歩かずに来れてしまう。
車って便利。