歩いていて楽しい参道トップ5入り。
というわけで、戸隠神社の記事後半。
中社・奥社・九頭龍社の紹介です。
前編(宝光社・火之御子社)はコチラから!
《ご利益・神様》宝光社から五社めぐり(前編)【戸隠神社】アク強めな神社好きの紹介
ご利益・ご祭神
戸隠神社全体の説明は前回の記事で書いたので、
ご祭神の紹介から。
中社
ご祭神 | ご利益 |
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天八意重兼命 (あめのやごころ おもいかねのみこと) | 学業成就 試験合格 など |
中社で祀られているのは、
天八意重兼命
(あめのやごころおもいかねのみこと)
アマテラスが引きこもった岩戸を開くため、様々な策を練った賢い神さまです。
言うなれば、日本神話の孔明。
ご利益は
学業成就・試験合格
でイメージ通り頭脳タイプ。
他にも
商売繁盛・家内安全・開運守護
など、幅広くご利益があるともされています。
博識だからなのか、何でも出来る。
奥社
ご祭神 | ご利益 |
---|---|
天手力雄命 (あめのたぢからお のみこと) | スポーツ必勝 開運 |
戸隠神社の奥社に祀られているのは
天手力雄命
(あめのたぢからおのみこと)
超力持ちの神さまです。
アマテラスが引きこもっている岩戸を
ぶん投げて飛ばしました。
この戸隠の地まで。
神ってすごい。
ご利益は
スポーツ必勝・開運
など。パワータイプ。
オモイカネと併せて文武両道だ。
開運のご利益があるとされる所以は、
岩戸を開いて世界に光を取り戻したところからきているのかもしれない。
九頭龍社
ご祭神 | ご利益 |
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九頭龍大神 (くずりゅうのおおかみ) | 「縁結び」 「虫歯治療」 など |
奥社のすぐ近くにある九頭龍社に祀られているのは
九頭龍大神
(くずりゅうのおおかみ)
戸隠の地を守る神さまとして昔から信仰されている龍神です。
水神でもあります。
また天岩戸伝説に関わりはありません。
ご利益は
縁結び
そして
虫歯平癒!
です。
虫歯平癒…
なんだか珍しいご利益ですが、
理由は分かりません。
分かっていることは、偉大なる龍神さまの得意技が
「虫歯を治すこと」
なの可愛すぎる、ということぐらい。
ギャップ萌え。
中社
戸隠山の麓にある中社。
巨大な鳥居が目立ちます。
鳥居を抜けて階段を上るとすぐ、御神木がお出迎え。
八百比丘伝説のある三本杉です。
杉の木が三叉に分かれているから三本杉なのではなく、
正三角形に杉の木が植えられているから三本杉。
なのであと2本、三本杉と呼ばれる杉があります。
長くなるので詳しい話はのちほど。
さらに階段。
ここを上ると、
中社の境内。
左にも御神木の杉がありますが、これは三本杉ではありません。
シンプルに御神木。樹齢は700年。
パワーを授かろうと御神木に触れる方が常にいました。
力が欲しいか?
写真が雑に編集されているのはそのため。
そして中社の社殿。
祀られているのは
天八意重兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)。
とても賢い神様。多分メガネかけてる。
個人的な好みとして、中社の雰囲気が一番好き。
奥社参道
奥社参道・前半
中社から少し離れたところに、奥社へと続く
ながーい参道
があります。
徒歩のみ。車では通れません。
下馬。馬で来た人はここで降りましょう。
超まっすぐな参道。
そして、人がたくさん!
写真は人の少ないタイミングで撮りましたが。
歩くだけでもなんだかお祭り気分。
山奥なのに。
随神門
参道を半分進むと随神門が見えてきます。
茅葺き屋根に芽吹く緑の命。
戸隠神社の杉並木
この随神門をくぐると、
戸隠神社で(おそらく)もっとも有名なスポット
クマスギの杉並木が続いています!
ポスターとかによく使われているあの場所です。
樹齢400年を超える杉が並び、とても神秘的。
長野県の天然記念物に指定されています。
さらにこの参道、
太陽が参道に沿って昇るよう設計されているというこだわりっぷり。
道の途中には、何か住んでそうな木のうろや、
飯綱権現(いづなごんげん)を祀る神社が脇にありました。
飯綱権現は神仏習合の神さま。
信仰の元となった飯綱山が戸隠山の近くにあるのが祀られている理由でしょう。多分。
奥社
参道はだんだん階段が増えていく参道を進み、ようやくたどり着く奥社。
想像以上に人が多かった。大渋滞だ。
奥社の社殿。
祀られているのは
天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)という力持ちの神さま。
中社に比べて、なんだか厳か。
また、この奥社境内から戸隠山の屏風のような岩を見ることが出来ます。
九頭龍社
奥社のすぐ隣に、九頭龍社があります。
九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)という
この地を守る神さまを祀っています。
奥社のタヂカラオよりも古くから祀られている神さまです。
戸隠神社の社紋は鎌卍(かままんじ)という、四本の鎌が卍型並んだ紋です。
水や豊作の神とされる九頭龍大神にピッタリな社紋だなあ、なんて思います。
あと多頭の蛇や龍が好きなので、参拝出来てうれしい。
その他の見どころ
中社には、他にもたくさんの見どころがあったので、そこを紹介していこうと思います。
三本杉 おすすめ
正三角形上に並んだ不思議な御神木
三本杉です。
中社大鳥居の手前左側に一本。(左の写真)
中社大鳥居の手前右側に一本。(右の写真)
そして、大鳥居の階段を上ってすぐにある一本の三本です。(下の写真)
そして、この3本杉が植えられる経緯に、
八尾比丘(やおびく)伝説があるのです。
八尾比丘尼(やおびくに)伝説は有名でも、八尾比丘伝説を知っている方はあまり多くないかもしれない。
八尾比丘伝説
昔々、若狭の国(現在の福井県辺り)に妻を亡くし、三人の子供を持つ漁師がおった。
その漁師はあるとき、海で美しい女性を見かける。
よくよく見みるとその女性には鱗があり、人魚と呼ばれる存在じゃった。
人魚は、
「私を殺せばあなたの子供に不幸が訪れる」
と警告するも、漁師はそれを無視して捕えてしまう。
彼は世にも珍しい人魚を前に、皆に自慢したいという欲を抑えられなんだそうな。
その結果、漁師はその人魚を殺してしまった。
どんな扱いをしたのやら…。
仕方なく、漁師は人魚の肉を家へと隠すことにした。
その翌日、漁師は子供を残し一人漁へと出かける。
それからしばらくし、おなかをすかせた子供たちは父親が見つけた人魚の肉を見つけ、それを食べてしまう。
まったく、見つかる場所に隠すな!
その後漁師が家へ帰り、子供たちが人魚の肉を食べたと知りとても動揺した。
なぜなら
人魚を食べた者もまた人魚になる
という言い伝えがあったからじゃ。
言い伝え通り、子供たちの体からは鱗が生え始めるも、漁師は何もできずにいた。
そんななか、夢のなかで
「出家したのち戸隠大権現に詣で、3本の杉を植えよ」
というお告げをあった。
しかし、目が覚めると子供たちはすでに事切れておった。
その後、漁師は名を「八尾比丘」と改め、正三角形に3本の杉を植え、己の罪を祈ったという…。
愚か者の漁師ではなく、3人の子供が犠牲になるという、なんとも悲しい伝説です。
見落としがち
中社の右にある小さな神社、
五斎(いつき)神社。
読みは「ごさい」じゃなくて「いつき」です。
創建は不明ですが、諏訪大社から分霊を受けて建てられたらしい。
具体的に書くと、ご祭神は
建御名方富命・火産霊命・大山祇命・稚産命
そして諏訪大社とは関係ない、
元偉いお坊さん(阿闍梨)の宣澄霊命(せんちょうのみたまのみこと)。
また、隣には宣澄だけを祀る宣澄社がありました。
神仏習合だ。
さざれ滝 見落としがち
中社の右奥にある滝、さざれ滝。
どうやらここもパワースポットして有名らしい。
誰が言ったか、
「この滝を撮って待ち受けにすると金運が上がる」
とかなんとか。
明治神宮の清正の井戸みたいな噂です。
信じるか信じないかはあなた次第。
それと、滝の下を泳ぐ魚がかわいかった。
中社から奥社参道入口までの歩き方
中社から奥社参道へ徒歩での行き方が結構分かりづらい。僕も間違えた。
なので最後、雑に道順を載せます。
中社の左側に鳥居があるので、そこを抜けて駐車場へ。
その後、この道を右。登る方。
途中には女人堂跡があります。
もちろん曲がらず、まっすぐに。
進むと道路に。そのまま道沿いへ。
このまま進むと奥社道への入り口があるので、そこで曲がります。
途中にある比丘尼石(びくにいし)が目印。
ちなみに比丘尼石は、女人禁制の掟を破り、石にされたという伝説の石。
明治ぐらいまでこの先に女性は入れませんでした。
現在は女性が石にされたという話は聞きません。神さまだってジェンダーレスの時代。
さらに進むと奥社入口を示す看板が見えてくるので、そこを曲がります。
そのまま進むと奥社入口の隣にある駐車場へ着きます。
あとは道路を道なりに進めば左側に奥社参道入口です。
記事の裏書き(どうでもいいこと)
ずっと行ってみたかった戸隠神社。
想像以上に人が多くてびっくり!
車を停めるのも大変だった。
この日の歩行距離は17.1㎞。
僕が寄り道をして無駄にうろついたからです。
5社めぐりをしてもここまでの距離には距離にはならないので安心してください。