神の誠を心に得れば、己も神の如く尊い人である
左様に尊い人であって神の寵愛に洩れるはずがない。
〜鹿島神宮のおみくじより〜
ということで、今回は
群馬県高崎市於菊稲荷神社の紹介・感想です!
於菊稲荷神社ってどんな神社?
高崎市新町に鎮座する於菊(おきく)稲荷神社。
その名の通り、
お稲荷さまを祀る神社です。
そして名前につく「於菊」はある伝説の人の名前。
そうこの神社には、
とある伝説が語り継がれているのです。
かんたんに!於菊伝説
於菊伝説の内容を簡単に説明すると、
お稲荷さまに病を治してもらった於菊(おきく)という女性がお稲荷さまの巫女となり、
世のため人のために力を尽くした
という伝説です。
お稲荷さまから寵愛された於菊さん、
今でも名前が残ってるんですね。
祭神じゃないのに人の名前が神社に付くのは結構珍しいと思う。
詳しい内容は記事の後ろに書きました。
(コチラ)
ご祭神・ご利益
ご祭神 | ご利益 |
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ) | 商売繁盛・五穀豊穣 |
於菊さんが仕えているこの神社の神さま。
それはもちろん
お稲荷さま
こと
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
ご利益はなんといっても商売繁盛!
商売繁盛といえばお稲荷さま!
また於菊伝説から、
病気平癒
などのご利益もあるといわれています。
牛頭天王やアマビエのライバルになるかもしれない。
ちなみにウカノミタマは穀物・食物の神さま。
一般的に女神(厳密には性別不明)とされています。
どうでもいい話、
僕がまだ神さまに詳しくない頃、
お稲荷さまっておじいちゃんのイメージでした。
かつてのイメージお稲荷さま
「狐たちや、ちいとばかし現世で人の願いをきいてきておくれ。
ふぉっふぉっふぉっくす。」
アクセス
関越自動車道なら上里IC・玉村IC。
上信越道なら藤岡IC。
北関東自動車道なら前橋南IC。
だいたい15分ぐらいかな。
最寄りは新町駅。歩いて10分ほど。
おすすめです!
神社レポ
鳥居と参道
教会の隣に建っている於菊稲荷神社。
於菊さんが教会での説教に影響されて、
シスター於菊さんになってたりしないかな。
入ってすぐ左には仲睦まじい道祖神。
お菊稲荷神社の参道。
少し進むと道が左に曲がってます。
並んだ鳥居
木漏れ日
稲荷神社ってかんじ。
たくさんの鳥居には奉納した人の名前が。
多くの願いを叶えた証です。
稲荷神社ですが、狛犬もいました。
結構珍しい。
なかなか迫力のある狛犬。
もちろん狐像もあります。
なんだかほんわかした雰囲気。
2つの手水舎
さて、於菊稲荷神社の手水舎はどんな感じかな〜。
センサー式手水舎
ハイテクである。
でも最近はそこまで珍しくないか。
神社だからといって、
神さまの力で動いてるわけではありません。
電気の力です。
そしてなんと、もう一つ手水舎がありました。
(今は使われてません。)
趣深ーい手水舎。
提灯もいいかんじー。
手水鉢の字は左から「冰香」と書いてあります。(写真では切れてますが…。)
冰は氷の旧字体。
…どういう意味だろう?
造語かな。
意味は分からないけど、
なんだか涼しいことは分かりました。
あれを思い出す。
弘法大師が詠んだ火伏せの唄!
なんだっけ…
霜柱 氷の梁にー 雪の桁~
あれも意味はよく分からないけど、何だか涼しい!
参道に描かれし…
お於菊稲荷はなんだかとっても落ち着く。
ほっこり優しい雰囲気。
荘厳で緊張感がある!
とか
深い歴史の中にある!
というより、
もっと身近で親しみやすい感じ。
時間が静かに流れるような…。
…うん、
これは間違いなく、
参拝前に見た於菊伝説のイメージを引きずってるな。
なんて思いながら歩いていたら、参道に
ゆるくて可愛い白狐の絵が!!
「可愛い神社」という感想はあながち間違いではなかった。
於菊さんもこういう可愛い感じが好きなのかもしれない。
ハイテク社殿
拝殿まえ。
横には紫陽花が咲いてました!
きれい。初夏を感じる。
拝殿。
おおー、新しい感じだ。
扉はなんと
自動ドア
ハイテクである。
でも、神社な雰囲気は消えてません。
ハイテクでも神社神社してる。
やっぱり神社は神社神社してないとね。
社殿はなんだか新しくてフレッシュな感じ。
手水舎もだけど、於菊さんは新しいもの好き?
その他の見どころスポット
白狐社
本社へ参拝後、左の方へ行ってみると…
すごい数の白狐
白狐社です。
お稲荷様の使いである白狐を祀るお社。
こんなにたくさんいると、色々楽しそう。
…かわいい。
撫でたい。
一匹ぐらい持ち帰りたい。
狐塚と太子堂
今度は社殿の右。
神使の白狐を祀る白狐塚があります。
…聞こえる。
「さっきの白狐社と何が違うの?」
という声が。
ここは、
人々の願いを叶えた白狐たちが神通力を養うための場所。
つまり休憩所。
お願いするより、
「お疲れ様」
と神さまを労う方が良いかもしれない。
そして
この白狐塚のすぐ隣には、
聖徳太子を祀る太子堂があります。
建築関係の方たちにあつく信仰されているらしい。
雷電神社 見落としがち
入り口から入って左手、木々に囲まれたところにある神社。
ちょっと分かりづらいかも。
場所も木陰で、本社とは雰囲気が違いますね。
御祭神は
火雷大神(ほのいかづち)
大雷大神(おおいかづち)
別雷大神 (わけいかづち)
雷神。
ビリビリきそう。
気性が荒く、力強い神さま。
でもだからこそ、
強い開運の力を持つそう。
ご利益は諸願成就、
知恵や勇気を授けてくれるという。
少年漫画の師匠キャラみたい。
戦事中に一度神社が荒廃。
のちに地域の人々の協力で再建されたらしい。
こういう境内の小さな神社にもしっかりと歴史があるのだ…。
良い(しみじみ)。
おまけ
もっと詳しく!於菊伝説
昔々の話じゃ。
新町という町には於菊(おきく)という、
美しくて心優しい娘がおったそうな。
於菊はとても信心深く、
また子供好きな娘じゃった。
誰よりも熱心に稲荷神社へお詣りし、
境内で遊ぶ子供たちの相手をしておった。
ときにはお菓子を買い与えたりすることもあったそうな。
そのため、
於菊はみんなからたいそう慕われておった。
ところがある日、
於菊は重い病にかかってしまう。
於菊は裕福な身ではなかった。
病気のせいで住む家まで失うこととなった。
じゃが、善行というのは人の心を動かすもの。
一緒に遊んでいた子供たちの親はこれを不憫に思った。
そして彼女の大好きな稲荷神社の裏に小屋を建て、代わる代わるで看病を続けることにしたのじゃ。
それから3年の月日が流れた。
それでも於菊の容態はなかなか良くはならなんだ。
それでも…
於菊も、
子供たちも、
その親たちも、
決して諦めはしなかった。
そんなある日の夜、
皆の願いが通じたのか、奇跡が起こる!
於菊の枕元に何者かが現れ、
ある一つの言葉を残した。
「世のため、
人のために
力を尽くしなさい」
そう、現れたのは稲荷神社の神さまである
お稲荷さまだったのじゃ!
次の日、於菊は病が嘘であったかのように全快。
親も子供たちも、もちろん於菊自身も大喜び!
そして、於菊はお稲荷さまのお告げの通り、
残りの人生を稲荷神社の巫女として生きることを決意したのじゃ。
こうして稲荷神社の巫女となった於菊。
すると不思議なことに、
於菊自身に神秘的な力が宿りはじめた。
人の吉凶を占えば、的中させ…
ものをなくせば不思議力で見つけ出す…
その力は人智を超えた、摩訶不思議なものじゃった。
もちろん、於菊はその力を人々のために使った。
あの日のお告げの通りに。
すると、その噂はたちまち広がり、於菊は瞬く間に有名となった。
そして於菊のいる稲荷神社は「於菊稲荷」と呼ばれ、
はるか遠方からも訪れるほどに信者が集まったのじゃった。
おしまい。
これが、現代にまで語り継がれる、於菊伝説じゃ。
…いい話だ。
創作のネタになりそう。
白狐たちに混じり、神社で箒を掃く於菊さん…
そんな姿をイメージしてしまいます。
項目 於菊稲荷神社ってどんな神社?へ。
(モドル)
記事の裏書き(どうでもいいこと)
於菊稲荷神社はなんというか、気軽に立ち入りやすい雰囲気の神社。
なかには身が引き締まるようなピリッとした雰囲気の神社もあるけど、ここはそうい感じは全くありませんでした。
稲荷神社は怖いってたまに聞くけど、なんでだろうなあ。
人を化かす狐のイメージなのか。
お稲荷さまと同一視されているダキニ天のイメージなのか。
今日の歩行距離は12.3km。
初夏だけど暑い。