階段の長い参道を下ると異世界だった。
胸の奥底が熱くなった。
社務所で人が止まった。
(ブログ用写真のため、シャッターチャンスを待ったときの話。)
というわけで、今回は
群馬県富岡市貫前神社の感想・紹介です!
貫前神社ってどんな神社?
貫前神社、読みは「ぬきさき」。
なかなか読めないよね。
神社、前を「さき」と読みがち。
そしてなんといっても、
超格の高い神社
です。
社伝によると創建は1400余年前。
西暦でいうと531年の古社。
さらに、貫前神社の神さまはもともと別の場所(咲前神社)で祀られていました。
つまり、信仰自体はさらに古いということ。
1000年以上の歴史を持つ神社だって、そんなにないのに。
たまに神社の名前についている「一之宮」とか「二之宮」という数字。
これは社格(神社の格)を表しています。
数字が若い方が格上。
だいたい国ごと(旧国名)につけられてます。
貫前神社の場合、上野国一之宮なので、
上野国(群馬県)で一番格上の神社ということになります。
もちろん、社格の高さで良し悪しが決まるわけじゃないけども!
ご利益・ご祭神
御祭神 | ご利益 |
経津主神(ふつぬしのかみ) | 「勝運」「災難除け」など |
姫大神(ひめおおかみ) | 「地域守護」「縁結び」など |
祀られている神さまは
経津主神(ふつぬしのかみ)
姫大神(ひめおおかみ)
の二柱。
経津主神は刀剣や武道の神さま。
布都御魂(ふつのみたま)という剣が神格化した存在といわれています。
なんだかカッコいい…。
ご利益は「勝運」「災難除け」など!
イメージ通り!
いかなる剣も使い手がいなければ意味を為さない。
剣を以って厄を払い、剣を持って己の道を切り開きたい!
そんな崇高な精神をお持ちの御仁は、是非ご参拝を。
もう1柱のご祭神である姫大神は結構謎な神。
この「姫大神」という神名も正式なものではありません。
由緒も不明。
わからないことだらけ
でも、
だからこそなんだか魅力的…。
ほら、某探偵漫画にも
女は秘密を着飾って美しくなる
なんて言葉が出てくるし。(女神だけど)
ただ推測ではあるものの、
この姫大神、
地域の神で、養蚕と機織りを司ると言われています。
富岡市といえば富岡製糸場、養蚕だものね。
織物は「糸を紡ぐ」ということ。
さらに男神の経津主神と男女一対で祀られていることから、
縁結びのご利益があるとされています。
アクセス
上信電鉄上信線の上州一ノ宮駅が貫前神社の門前駅。
徒歩で15分ほど。
上信越自動車線なら下仁田インターや富岡インターが近い。
20分ほど。
神社レポ
貫前神社の鳥居
神社正面の入り口。
立派な鳥居ですね!僕は入り口を間違えました。やっぱり最初の参拝は正面からに限りますな。
あ、表参道への入り口は県道198号線沿いにあります。
正面からお詣りしたい方はそちらからどうぞ。
下る参道、下り宮
鳥居をくぐりまっすぐ進むと、総門が見えてきます。
あれ?
なんか奥の社殿、低くない?
扉を抜けると…
えええええ!
参道が下っている!
なぜ、入り口より低い位置に社殿が!?
もしや…!
これが音に聞こえし下り宮!?
ついにこの目で…!
ほんとに驚きました!
と言いたいところですが、実は貫前神社が下り宮なことを知っていたので、驚いてないです。
頭悪そうな茶番はこれぐらいにしておこう。
参道を下ることって珍しいの?
と、疑問を持つ方も多いかもしれません。
はい、とても珍しいですよ!
下り宮の神社は全国で数えるほどしかありません。
神社は基本的に高いところに建てられます。
神棚もそうですよね。
…馴染みがなくてピンとこない?
そういうものなの。
これは、
「神さまを見下ろすなんてとんでもない!」
という考えから。
まさしく崇敬の念。
そんなわけで、入り口より低い位置に社がある、というのは普通はありえません。
なにか特別な理由があるのでしょう。
そのため貫前神社は、
日本三大下り宮のひとつ
に数えられています。
(ただほとんど知られていませんが、
同じ群馬にある木曽三社神社も下り宮。
知られていないだけで、下り宮の神社もあるにはある。)
下り宮を下った感想
下る途中、いつもの参道と違った感覚がありました。
それは違う世界、異世界に入っていくような感覚。
なんていうか、
奥に入っていく感覚が強い!
これが下り宮の力……!
言葉にするのは難しい。
下ってみて。
・・・そういえば、異世界といえば
「不思議の国のアリス」も、ウサギを追いかけて穴に落ちたることで不思議の国にたどり着く。
最近では、インディーズゲームの「UNDERTALE」も、
穴に落ちた先は異世界、モンスターの世界だった。
異界を地下に見出す創作物は多い。
「下ること」に異界を感じるのは普遍的な心理なのか…?
これで論文が書けるかもしれない…!
題『なぜ人は地下に異世界を見出すのか』
…なんて
下らないことを考えながら下りました。
あれ、下るの?下らないの?
楼門前へ到着!
参道を下りきると…
そびえたつ楼門!
楼門というのは2階がある寺社の門のこと。
お賽銭箱が楼門のまえに置かれているとは、珍しい。
でもそのせいで、ちょっとくぐりづらい。
くぐっても…いいんだよね…?
なんだか
「お前、何か用があるのか?」
と聞かれているみたい。
威圧感…!
楼門の随神像。
悪しきものを通さぬよう、こちらを見張っています。
無事通過できたので、僕は合格ってこと。
…でも
たまに想像します、
自分が不合格で随神に射抜かれる姿を。
とてもシュール。
豪華絢爛な社殿
楼門をくぐると…豪華絢爛な社殿がみえます。
楼門も拝殿(お参りするところ)も本殿(御神体があるところ)も細かいところまで彩色されてますね。
極彩色。
さすが一之宮。
ちなみに、江戸時代に再建されたものらしい。
当然な顔して重要文化財。
社殿の周りをぐるっとまわれるようになっているので、
一周まわって観察するのがオススメ!
その他の見どころ
月読神社
下り宮の途中、左手にある神社。
月読 (つきよみ) 神社です。
一般的にツクヨミと呼ばれる、
月を神格化した神さまが祀られています。
月読神社だと「つきよみ」と表記されるそうですが…
細かいことはいいや。
また、月読神社はいろいろな神社を合祀(文字どおり、一緒に祀ること)した神社。
そのため、他にもたくさんの神さまが祀られています。
つまり、一度にたくさんの神さまにあいさつできるということ。
お得ですね。
抜鉾若御子神社 見落としがち
本社の隣、楼門の先にある神社。
抜鉾若御子神社。
その名の通り、貫前神社のご祭神・経津主神の子とされている神さまを祀ってます。
詳細は不明。
今の場所に社を建てた時と大体同時期に現れたらしい。
お賽銭箱もないので、ちょっと分かりづらい。
その2. 不明門(あかずのもん)と勅額(ちょくがく)鳥居
楼門前を右手、宝物館の方にすすむとあります。
勅額(ちょくがく)鳥居。
勅額とは天皇が書いた額のこと。
皇族の方が書いた額があるなんて凄いよね。
次にこの不明門(あかずのもん)と呼ばれる門。
勅使門(ちょくしもん)という門です。
勅使とは、天皇が送る使者のこと。
勅使が来たときにだけ開く。
つまり、もう開くことが(おそらく)ない門です。
ちなみに、勅使を送る目的は、神さまへの捧げ物。
もちろん、普通は天皇が送ったりしません。
神祇官とか、それ系の人たちが送ります。
勅使が来るとは…さすが一之宮!
二十二末社
神社の左側のスペース。
なんだかとても長い社があります。
これは二十二末社。
貫前神社の境内にある小さな神社を一棟にまとめたそうです。
シェアハウスだ。
荘厳な本社と異なり、静かで落ち着いた雰囲気。
違った良さがあるな〜。
記事の裏書き(どうでもいいこと)
初見の神社を巡るのは楽しいな〜
なんて歩いていたら26.5kmも歩いてしまった。
足が痛い。
寄り道…
いつまで、いつまで…