《ご利益・神様》山と龍と逆さの狛犬【岩木山神社】アク強めな神社好きの紹介

岩木山神社の楼門

さいぎさいぎ

どっこいさいぎ♪

今回は青森県弘前市
岩木山神社の紹介です。

目次

岩木山神社ってどんな神社?

岩木山(いわきさん)神社は、
岩木山をご神体とする
山岳信仰が原点の神社。
”お岩木さま”という名前でも親しまれています。

ご神体の岩木山は津軽富士とも呼ばれ、
津軽地方では古くから信仰の中心となっている山。
津軽の人ならだれでも知っている、
そんなレベル。

そんな信仰の篤さもあってか山奥に鎮座しているにもかかわらず、社殿は豪華絢爛。
そのため、奥日光とも呼ばれています。

日光東照宮もそうですが、
信仰や権威が形として表れるのも面白いですね。

岩木山神社のお山参詣

また、岩木山神社にはお山参詣と呼ばれる信仰行事があります。

お山参詣とは、岩木山神社の奥宮へ集団で登拝する行事であり、
参加者は登山囃子を奏でながら岩木山を登ります。

山伏が山を登る際、

「懺悔懺悔 六根清浄」 
(ざんげざんげ 
ろっこんしょうじょう)

と唱えることがありますが、
あんな感じのノリです。

ちなみに、お山参詣の登山囃子では、
六根懺悔を

”どっこいさいぎ”

と読んでいます。多分訛り。
こういった点から、

”どっこいしょ”

という掛け声は
六根清浄(ろっこんしょうじょう)が由来だとする説もあるでどっこい。

六根清浄とは、
眼・耳・鼻・舌・身・意
という、人の持つ6つの感覚を清浄に保つことを意味する言葉です。
お山参詣の際も、参詣者はその身を清めてから、ご神体である岩木山を登ります。

ご利益・ご祭神

ご祭神 ご利益
顕國魂神
(うつしくにたまのかみ)



縁結び
五穀豊穣
商売繁盛
厄除け
開運招来
多都比姫神
(たつひひめのかみ)
宇賀能賣神
(うがのめのかみ)
大山祇神
(おおやまづみのかみ)
坂上刈田麿命
(さかのうえのかりたまろ)

岩木山神社のご祭神は五柱であり、
主祭神は
顕國魂神(うつしくにたまのかみ)
です。

この神は国造りで知られる大国主の異名とされています。

というのが、一般的な話。

国魂神(特定の地域を守護する神)は多くの場合、大国主と習合させられており、
本来その地を守護する神が別に存在した
場合がほとんどです。

なので、大国主というより
”津軽地方を守護する神さま”
ととらえた方が適切かもしれない。

また他にも、

縁結びのご利益があるとされる
稲作や豊穣の女神
多都比姫神(たつひひめのかみ)

商売繫盛のご利益で有名な
稲荷神と同一視されている
宇賀能賣神(うがのめのかみ)

山の神である
大山祇神(おおやまづみのかみ)

坂上田村麿の一族、または従者とされる
坂上刈田麿命(さかのうえのかりたまろ)

の四柱が祀られています。

坂上刈田麿が祀られている理由

岩木山神社に祀られる坂上刈田麿。
祀られているということは、この神社の創建か何かに関わっていたのでは、と思いがち。

しかし実際のところ、
伝承ではこの岩木山を山の麓に創建したのは
坂上田村麿とされており、
刈田麿ではありません

じゃあ、刈田麿は何なんだ??

…ってなる。

実は岩木山神社のように、
”坂上田村麿が神社の創建に関わった”
という話は全国的に存在しています。

しかし、実際のところ
それらの多くは権威付けの創作
多くの場合、田村麿の一族やその従者であったと考えられています。

ただ
知らない名前出てもパッとしないよなあ

みたいな考えから
功績が大きく、英雄的な立ち位置にいる田村麿の手柄として伝わりがちなのです。

岩木山神社の場合、祀られているのは刈田麿。
なので伝承と異なりますが、
実際に創建に関わったのは刈田麿で間違いないでしょう。

これで信仰されるのも田村麿だったら
たまったもんじゃないですよ!

そう、田村麿はすごくお得な立場にいるのです。
空海、君もだよ。

神社レポ

鳥居と長ーい参道

岩木山神社入り口の鳥居。

朱塗りの社殿とは違い石造りの鳥居です。
大きい。

鳥居を抜けると参道が続いています。
長い。

五本杉

参道の途中には、御神木である五本杉が生えています。

1本の根から2,3本ぐらいに分かれている御神木はそこそこ見かけますが、
5本に分かれているのはなかなか見ない。

三又の杉には天狗が住む
なんて言われたりしますが、
五又の杉なら豪邸だ。

橋と禊所(手水舎)

さらに進むと重要文化財にも指定された楼門が見えてきます。

そしてその手前には橋。
鳥居に次ぐ第二の境界です。

このまま楼門へ!

と、いきたいところですが
まずは楼門の右側に行き、
禊所(神社の手水舎)
で手と口を清めましょう。

岩木山神社の禊所は
普通の手水舎とは一味ちがう!
豪快な造りの禊所。

滝の近くに似た楽しさがあってテンション上がりました。

この禊所の水は岩木山の湧き水
冷たくて気持ち良い。

龍が水を吐いています。
ちょっとジト目。

逆さ狛犬 見落としがち

身を清めたら
こんどこそ楼門へ!

といきたいところですが、
まず楼門前にある石段脇に目を向けよう。

岩木山神社名物、逆さ狛犬がいます!
意外と小さいので見落としがち。

逆さの狛犬というのは
全国でも数えるほどしか例がありません。激レア。

上向きの狛犬
金運招福のご利益

下向きの狛犬
恋愛成就のご利益
があるといわれています。

写真に撮ると良いらしい。
なお逆さの理由は不明。

“逆さ”
というのは民俗学的にいろいろな意味を持ちますが、狛犬となるとあんましっくりこない。
案外、石工の遊び心だったりするかも。

楼門と中門

散々後回しにしてきた楼門。
楼門とは二階建ての門のことです。

山にそびえる朱色の門は、
国の重要文化財に指定されています。

楼門のくぐった先には中門

ここをくぐれば社殿はすぐ。

天井画は龍、装飾も龍。
龍がたくさん。

中門の額には
(右から読んで)北門鎮護と書かれています。
これは、
日本の北方を護る神社
ということ。

岩木山神社は京から見て北東、
つまり鬼門の方角に位置しているため、
北を護る神社とされました。
ちなみに、
後ろで鹿島神宮も一緒に北を睨んでいます。

社殿(拝殿と本殿)

中門を抜けてすぐ拝殿

そして本殿
瑞垣と木々でかなり見えづらい。
それが逆に神聖不可侵な感じで良いね。

写真だと規模感が伝わりづらいですが、
拝殿と本殿あわせて迫力あるぐらい大きい。

その他の見どころ

白雲神社と神餞所 おすすめ

岩木山神社に参拝して終わり…
ではなく、
ぜひ立ち寄ってほしい境内社があります。
それが、白雲神社
拝殿から少し右に行くと神社への道があります。

この神社で祀られているのは
白雲大龍神という龍神。
岩木山にたなびく白雲が神格化された神です。
岩木山に龍の装飾が多いことからも、
龍神への信仰がうかがえます。

ご利益は
浄化、運気上昇

また、龍神は水神でもあり
周りには岩木山から湧き出た池があります。

ここの龍神は卵が好物であり、
それをお供えする風習もあるのだそう。
ただし、池が汚れるので現在は多分NG。

ちなみに、白雲神社の途中に神饌所がありました。

神饌所とは、
神さまへお供えする食事を準備する場所のこと。
つまりキッチン。

稲荷神社

白雲神社からさらに右に稲荷神社もあります。

山のなかひっそり鎮まっている、
そんな雰囲気がお気に入りです。

白雲神社が白いのぼり。
稲荷神社は朱いのぼり
白でめでたい。

アクセス

車の場合

東北自動車道の大鰐弘前ICから約40分。

電車の場合

JR弘前駅からバスで約40分。

登山囃子・下山囃子 唱文

登山囃子唱文

懺悔懺悔 六根懺悔 
御山八大 金剛道者 
一々礼拝 南無帰命頂礼

さいぎさいぎ どっこいさいぎ
おやまさはちだい こんごうどうしゃ
いちになのはい なむきんみょうちょうらい

《下山囃子唱文》

宵山かけた 朔日山かけた
笑 萬足萬足よ

よいやまかけた ついたちやまかけた
あゝ ばたらばたらばたらよ

出典:北門鎮護 岩木山神社|公式ホームページ

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