《ご利益・神様》歴史と信仰の中心地【日光二荒山神社】アク強めな神社好きの紹介

日光を見ずして結構と言うな。

そして、

東照宮だけでなく、二荒山神社も忘れるな!

というわけで今回は
栃木県日光市日光二荒山神社
の紹介・感想です。(初見ではない。)

目次

ニ荒山神社ってどんな神社?

日光といえばやはり日光東照宮ですが、
日光信仰の中心といえばやはりこの神社!
日光二荒山(ふたらさん)神社です。

二荒山神社は日光連山を構成する山の一つ
男体山(なんたいさん)だんたいさん」ではない。
をご神体とする神社です。

なので当然、祀っているのは男体山の神さま
加えて妻と子供も一緒に祀られています。
日光神さまファミリー。

なお妻と子供も父と同じく、
日光連山の山がご神体となってます。
(詳しくは次の見出し「ご利益・ご祭神」にて)

日光は山岳信仰の聖地ともされる場所。
日光連山は神聖な山々としてあつく信仰されています。
その中でも男体山は信仰の中心。
そのため、日光神さまファミリーにおける「父」は男体山の神さまです。
(神道に限らず、多くの宗教において父性を帯びた神は高位。)

また男体山は神社名と同じく、
かつては「二荒山(ふたらさん)」と呼ばれていました。
日光という地名も、この二荒山を「にこう」と音読みしたことに由来するといわれています。

今回紹介するのは二荒山神社「本社」。

日光二荒山神社と言っても一社ではなく、3つの神社によって構成されています。
それが本社・中宮祠・奥宮です。

今回紹介するのは本社。東照宮の隣。
ちなみに奥宮中宮祠はそれぞれ
山頂中禅寺湖のほとりにあります。

そのほか日光信仰についての踏み込んだ話は
下の 日光信仰とは にて。
ちなみに結構長いです。
向学心の強い御仁はどうぞ。

「大体でいいよ、大体で。」
という方はこちらからご利益・ご祭神の見出しへスキップして下さい。

日光信仰とは

さきほども書いた通り、日光は山岳信仰の聖地。
そしてその信仰は、勝道上人という僧侶が日光を開山し二荒山の神と千手観音を祀ったことから始まります。

つまり、を同じように祀ったことが日光信仰の起こりなのです。

勝道上人

道もない時代に前人未到の男体山(2486m)の登頂に成功したやばい人。(三度目の挑戦)
しかも残雪期に…。
お釈迦さまが雪山で苦行したから儂も!
ということらしい。
イカれたイカした僧侶。


なお、勝道上人の日光開山は、空海や最澄の開山よりも早いです。
高野山とかに先輩面できます。

そんなわけで、神と仏の近い日光に、自然と神仏習合の思想が生まれました。


神仏習合とは、神道の神と仏教の仏が結びつけられた信仰のことです。

そして、最初に祀られた二荒山の神と千手観音が同一視され、


「千手観音が二荒山の神さまとして現れたのだ!」

と考えられるようになりました。

神道の神は仏教の仏が仮の姿として現れたものとする説
本地垂迹説 です。

また、神さまの正体である仏さまを 本地仏といいます。
なのでこの場合、

男体山の神の本地仏は千手観音。

ということになります。

そして、二荒山の神さまだけでなく、その妻と子にも本地仏があてられました。
これら仏の取る神の姿のことを ~権現と呼びます。

日光神さまファミリーが祀られている二荒山神社・滝尾神社・本宮神社の3社が
日光三社権現(または日光三所権現)とよばれているのもそのためです。


ここら辺の説明はグラフにまとめた方が分かりやすいでしょう。

↓こんな感じ。

神社二荒山神社滝尾神社本宮神社
山(ご神体)男体山(二荒山)女峰山太郎山
神さま大己貴命(オオナムチノミコト)田心姫命(タゴリヒメノミコト)耜高彦根命(アジスキタカヒコネノミコト)
仏さま(本地仏)千手観音阿弥陀如来馬頭観音
関係
※二荒山神社は親子3神が主祭神だが、男体山をご神体としていることから、父神を代表とする。

しかし明治の神仏分離令(神道と仏教を分ける政策)により、
輪王寺
日光二荒山神社
(滝尾神社と本宮神社は別宮扱い)
日光東照宮 
2社1寺に分けられることとなりました。


そんなわけで、今は神と仏が切り離されています。
ただ、現在でも日光の輪王寺には
千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音が祀られておりそれはこうした歴史があったからなのです。

ご利益・ご祭神

ご祭神 ご利益
大己貴命(オオナムチノミコト)縁結び
家庭円満
子宝祈願
など
田心姫命(タゴリヒメノミコト)
耜高彦根命(アジスキタカヒコネノミコト)

二荒山神社で祀られている神さまは
父 大己貴命(オオナムチノミコト)
母 田心姫命(タゴリヒメノミコト)
子 耜高彦根命(アジスキタカヒコネノミコト)
のファミリー。
核家族。
父のオオナムチさんは、大国主(オオクニヌシ)という別名も持ってます。
こっちの方が有名なはず。

それぞれ、男体山、女峰山、太郎山をご神体とする神さまです。

仲良く一緒に祀られていることもあって、
ご利益は 
縁結び 家庭円満 子宝祈願
などです。

さらに、家族云々を抜きにしてもオオナムチさんは縁結びの神さまとして知られています。
縁結びは特に期待できるかもしれない。

あと実はオオナムチさん、日本神話においてかなりのモテ男です。
なので、ほかにもたくさんの妻と子が…
いや…やめておこう。

アクセス

電車の場合

最寄りはJR日光駅ですが、距離があります。

徒歩で40分。
駅からのバスがおすすめ!

車の場合

東北自動車道の鹿沼ICから25分。
宇都宮ICならば20分ほど。

宇都宮ICからの日光宇都宮道路 日光ICからは10分ほどなので、こちらがおすすめです!

神社レポ

日光東照宮のすぐ隣にある日光二荒山神社。
観光地なだけあって人が多い。

縁結びの御神木

参道
奥に神門が見えますが、右側に御神木があります。
縁結びの御神木です。

この御神木は杉の木ですが、
楢(ナラ)の宿木と一緒になっているという珍しい木!
「宿木(ヤドリギ)とは、他の樹木に寄生する木のこと。」

なぜ縁結びの御神木とされているのか。
それは…
スギナラが一緒 

スギ・ナラ 一緒

好きなら一緒

というわけです。
ダジャレだね。嫌いじゃない。

神門と親子杉・太郎杉

さっき見えた神門
入ってすぐ、またまた左右に御神木。

左が親子杉、右が夫婦杉です。

見ての通り、
親子杉は3本、夫婦杉は2本の杉が一緒になっています。
(親子杉は、写真だと重なって2本に見えますが。)

二荒山神社では親子3柱の神さまを祀っています。
そして、
親子杉親子3柱の神さまのご神徳
夫婦杉夫婦2柱の神さまのご神徳
の表れである!と解釈されていた。
木まで変化させるご神徳とは、恐れ入った!

この御神木は神さまにとっての家族写真なのかもしれない。

拝殿

神門を抜けるとすぐ拝殿です。
一之宮らしい立派な社殿。

…ただ、僕は拝殿を見て思うことがある。
父親にプライベートはあるのか?と。

だって妻には滝尾神社、子供には本宮神社があるでしょう?
自分だけが祀られている神社。
いわばプライベート神社です。

だけど父親だけ、自分の神社に家族みんなが祀られているんですよ。
ノットプライベート神社!
神さまも一人になりたいときぐらいきっとあるだろうに…。

神苑(しんえん)の見どころ

ここまでが二荒山神社の基本的な参拝ルート。

しかし!

二荒山神社には神苑(神社のお庭)があるのです。
こちらも見どころたくさん!
入場料も安い。大人300円。
(2023年8月4日時点)

そんなわけで神苑、おすすめです!

ついでに言うと、僕も毎回寄ってます。
見てるとなんだか行きたくなるのです。
神苑をのぞくとき、神苑もまたこちらをのぞいているのだ。

本殿

二荒山神社の本殿
神苑に入らないとなかなかよく見えない。

神苑を少し登ったところがお写真スポット
神社側で紹介してくれてました。
確かに綺麗に撮れますね~。

大国殿

神苑にある境内社のなかでもなかなか目立つ神社大国殿
入ってすぐにあります。
文字通り、大国さまを祀る神社。

大国さまは、二荒山神社のオオナムチさんの別名。
大黒天とも同一視されているため、同じ見た目となっています。
なお同一視されている理由は、

「大国と大黒」

どちらも「だいこく」と読めるから。
単純だなー。

中は大国さまでいっぱい。
あと、太郎丸という宝刀もありました。
なんで刀って見てるとワクワクするんだろう。

朋友神社(みともじんじゃ)

大国殿の近くにある神社が
朋友神社(みともじんじゃ)。
ご祭神は少名彦名命(スクナヒコナノミコト)

医薬の神にして、
二荒山神社のオオナムチさんにとって相棒ともいえる神さまでもあります。

神社名からして朋友ですからね。
熱い絆を感じます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_1807-2.jpeg

二荒霊泉 おすすめ!

朋友神社の隣にあるのが二荒霊泉という泉。

霊泉、というだけあって飲むと 
若返り学業成就
といったご利益があるといわれています。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_1813.jpeg

神聖そうな泉。
こういう雰囲気好きだな~。

お水取りは有料ですが、その場で飲む場合は無料です。
水の違いは分かりませんが、雰囲気でおいしく感じました!

日光連山遥拝所

神苑の奥。遥拝所です。

遥拝とは遠くから拝むこと。
つまり、日光連山を遠くから参拝する場所です。

遥拝所の岩は日光連山のミニチュア。
あと、反射で分かりづらいですが、岩に剣が刺さってます。(右の写真)
男体山にある神剣の再現です。

良い縁の杜と恒霊山(こうれいざん)神社

遥拝所のすぐ近くから入ることのできるこの道、良い縁の杜というエリアです。
山に接しており、途中に七福神の像とかがありました。

七福神、ほんとによく見かけます。
迷ったらとりあえず七福神置いとけ!
って感じのノリなのかもしれない。

そんな良い縁の杜にある神社
恒霊山(こうれいざん)神社
ご祭神は大山積神(オオヤマヅミノカミ)。
山神である。

日光連山の気が集まるところに建てられた神社らしい。
よく分からないけど凄そう。
パワースポットってやつか。

小さいながらも好きな神社。
もしかしたら集められた山の気を、無意識に感じ取ったのかもしれぬ。

なにくそ石

同じく良い縁の杜にあるなにくそ石
にも
なにくそ!と耐え続ける人の姿
にも見える石…らしい。

僕には土下座している人の姿に見えます。

この石、紹介するほどのものか…?
と思った。

でも、なんだか見てて面白かったのでブログで晒してやることにした。
これからもなにくそ!と頑張ってください。

神苑の御神木シリーズ

最後に神苑にあったたくさん御神木をご紹介。

もう、御神木はいいよ…
なんて思わず、ぜひ。

それに、木には神が宿ります。
つまりご神木と関わることは、神さまと関わるということ。
ご神木を通じて神さまとの親睦をさらに深めることができるでしょう!
神木だけに。

すみません、これが言いたかっただけです。

巨大!御神木

トップバッターの御神木

いきなりド派手に巨大な木!

本社で一番大きな木

すごい迫力です。

でも、実物はもっとすごかった。

高野槙(こうやまき)

大きさ負けても先輩だ。

亀の甲より年の劫。

歴史を見てきた高野槙(こうやまき)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_1825.jpeg

なんだか人名みたいな御神木高野槙さんです。

杉だらけでしたが、これは槙(まき)の木。
弘法大師空海が植えたとされる古木です。
樹齢は約1000年以上らしい。
老大家。

恋人杉

最後はこの杉、恋人杉
ご利益もちろん縁結び

最後に紹介するのがこの御神木恋人杉です。

夫婦杉に似ていますが、こちらの方が大きい。

それにしても、二荒山神社には縁結びに関するものが多い。
縁結びスポットだ。

記事の裏書き(どうでもいいこと)

二荒山神社も見どころがとても多かった。
この記事で紹介できなかった見どころもたくさんあります。(日枝神社とか、化け灯篭とか)
ぜひ行ってみてください!

この日の歩行距離は11.8km
日光を歩き回った距離です。

あ、そうそう
近くの滝尾神社も超おすすめですよ!
前回記事にしましたので、もしよかったらどうぞ。
前回の記事:神社歴10年がゆく!日光の隠れたパワースポット【滝尾神社】ご利益・ご祭神

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