大蛇の身体算、
36m=10曲がり。
今回は
青森県十和田市
十和田神社の紹介です。
十和田神社ってどんな神社?
十和田(とわだ)神社は、古くより水神信仰の場とされてきた十和田湖に建てられた神社です。
十和田湖には古来から青龍が住むといわれており、
その長さ36m。
身体を十曲(とわだ)に曲げていたそうです。
十和田湖の由来はこれ。
神社の詳しい創建は不明。
ですが、一説には
南祖坊(なんそぼう)というお坊さんにより建てられたといわれています。
南祖坊伝説
むかしむかし、
十和田湖には荒ぶる龍神が住んでいました。
そんななか、南祖坊という修業を積んで滅茶苦茶強くなったお坊さんがやってきて、
「この龍神を退治しよう」
と言いました。
彼はムカデの草履とかいうよく分からないモノを履いて、戦いに向かいました。
そして南祖坊自ら龍神へと変化し、
荒ぶる龍神を倒したのです。
衝撃!南祖坊、ドラゴラムの使い手だった。
そんなわけで、
龍神となった南祖坊は青龍権現として十和田神社に祀られたとさ。めでたし、めでたし。
という説がよく聞く話。
祀られたのは退治された方の龍神説、
神格化した南祖坊が十和田の龍神と同化した説、
いろいろ。よりどりみどり。
好きに解釈しよう!
ちなみに、この話に出てくるムカデの草履。
これはムカデが素材なのかとかはどうでもよく、
ムカデが龍に対抗出来る存在として認知されていた
ということの表れ。
つまり、ムカデ属性は龍に効果抜群なのです。
面白いことに、日本でも中国でも
ムカデと龍はライバル関係になりがち。
例えば、
男体山の神vs赤城山の神の戦い。
これもムカデと龍の戦いです。
ご利益・ご祭神
ご祭神 | ご利益 |
---|---|
日本武尊 | 勝負運、健康運向上 |
青龍権現 |
十和田神社で祀られている神さまは
日本武尊(やまとたけるのみこと)
そしてもちろん
青龍権現です。
ヤマトタケルは日本神話における英雄的立ち位置の神さまであり、勝負運や健康運などにご利益があるとされています。
と…紹介しておいてなんですが、
僕はこの十和田神社は、水神信仰からなる
”龍神を祀る神社”という面が強いと感じます。
明治の神仏分離以降、
ヤマトタケルという記紀神話に登場する神さまを祭神としたにもかかわらず、
これほど色濃く龍神の存在が残っています。
これは、十和田湖に対する水神信仰の根強さ
を物語っていると言えるでしょう。
すごい!
神社レポ
鳥居と参道
お土産屋が並ぶ通りのなか、
ポツリとあります、十和田神社の鳥居。


鳥居の先は木々で暗くなっており、
異界への入り口のよう。

いたのか、狛犬。

参道には古木が並んで良い雰囲気。
手水舎と子授かり女木
しばらく進むと木の鳥居が見えてきます。

その先は少し開けて手と口を清める手水舎。

その裏には小さな祠があります。
おそらく、手水舎に小銭をいれる輩がいないか見張っている。

手水舎にいる龍神。龍神信仰の神社らしい。
また、近くには赤っぽいご神木もありました。


この木は子授かり女木
といい、子宝に恵まれるご利益があるという。
十和田神社の社殿
先には鳥居と階段。
ここをあがるとすぐ
十和田神社の社殿があります。



十和田神社の拝殿。



落ち着いた雰囲気ですが、
装飾は細かいです。
そして本殿。



本殿周りは人がなかなか来ないので、
一人でゆっくりしたいならオススメです。
…いや
オススメしたら人が来てしまうか…。
十和田神社の境内社
境内にもいくつか神社があります。
たとえば、拝殿の右側にある熊野神社。
熊野権現を祀る修験道系の神社です。

南祖坊が修行したのも熊野とされています。
そのためか、
南祖坊が履いていた百足の草履のレプリカである鉄の草鞋が奉納されています。
そしてさらに右には
稲荷神社もあります。

どこにでもあるね。
遥拝所
境内の一角には青龍権現社・占場への遥拝所もあります。
遥拝所とは、直接参拝できない神聖な場所を遠くから参拝する場のこと。

現在、震災の影響で青龍権現社へは立ち入れないらしい…。
十和田湖へ
十和田神社からは十和田湖へと続く道も延びており、行くことが出来ます。

案内通りに進むと、
乙女の像へ!

乙女の像の作者は高村光太郎。
小さい頃読んだ詩「道程」の作者だと
知ってびっくり。
彫刻家だったのか。
龍神が住む十和田湖の景色。


この湖の主は南祖坊なのだろうか。
もとからいた龍神なのだろうか。
あるいは両方なのだろうか。
もう喧嘩するのは百足だけにして。
アクセス
東北自動車道の小坂ICから約40分。
JR八戸駅からバスでも2時間以上。
電車で行くのはおすすめできない。